今日も日本全国で、誰かのクルマが狙われている?
陽気が良くなってくるとドライブとかちょっとした遠出、郊外のショッピングなど、クルマに乗る機会もグッと増えてきますね。そんなときに気をつけたいのが、クルマの盗難です。買ったばかりの新車ならもちろん、せっかくキレイに磨き上げたクルマや、新しいタイヤとか最新のオーディオに乗せ換えたばかりの愛車だったら、ガッカリ度もMAX!腹が立って悔しくて、すぐにでも取り戻したいと思うでしょう。盗んだ犯人には、一発ケリをお見舞いしてやりたいくらいです。いや、暴力はいけませんね……。
政府統計の「自動車盗難の犯罪統計」や、日本損害保険協会の「自動車盗難事故実態調査」によれば、近年はピーク時に比べると減少傾向にあるそうです。それでも全国の年間盗難総数は10,000台以上。毎日30台近くのクルマがどこかで盗まれている計算。窃盗の手口が年々高度で、スピーディーになっているそうなので、今回は万一クルマが盗まれてしまった場合の対処方法や手続き、愛車を被害から守る盗難防止アイテムを紹介します。
盗難車にもある、傾向と対策。
昨年のクルマの盗難発生件数を都道府県別にみると、もっとも少ないのが高知県。ワーストは5位から順に埼玉、愛知、千葉、大阪と続き、不名誉なワースト1位は茨城県でした。北海道は15位ですが、決して安心できる順位ではありません。日頃から十分な防犯対策しておくことがなにより大事です。ある調査によると、盗まれやすいクルマには傾向があります。おおがかりな自動車窃盗グループが国外で売りさばくせいかもしれませんが、海外で知名度や人気の高い車種が上位を占めています。5位から順にスカイライン、レクサス、ハイエース、ランドクルーザーと続き、ワースト1位はプリウスでした。あなたのクルマが該当するなら、今まで以上に防犯意識を高めておくべきでしょう。盗難は約7割が屋外駐車場で起こります。できるだけ被害に遭わないようにするには、明るく人目につきやすい場所とか防犯カメラに映りやすい場所に駐車する、なるべく路上駐車をしない、立体駐車場の場合なら低い階に停めるといった工夫が必要です。よくコンビニなどで鍵をかけず、エンジンもかけっぱなしのクルマを見かけますが、あれなどもってのほか。日頃からつねに油断してはいけません。盗まれたくなければね。
(参考資料/政府統計の総合窓口、日本損害保険協会)
盗難に遭ったらやるべき4つのこと。
クルマが盗まれたら真っ先にすることは、警察に被害届を出すことです。しかし残念ながら多くの場合、戻ってくることはありません。運良く戻ってきたとしても車内が荒らされているとか、壊されてパーツなどを外されているケースがほとんど。ですから盗難に遭ったら、クルマの抹消登録(廃車手続き)をする必要があります。もし発見されても今後は乗らないという人は永久抹消登録、見つかったら乗り続けたいという人は一時抹消登録という手続きをします。これをしておかないと、たとえ使用していなくても自動車税や自動車重量税などが課税されるので要注意。自賠責保険と任意保険も解約手続きが必要です。また盗まれたクルマの中に現金や時計、パソコンといった貴重品があったとしたら、任意保険に「携行品担保特約」を付けている場合は補償されることがあります。くわしくは自分が加入している任意保険の内容を確認してみるといいでしょう。さらに、クルマの中に運転免許証とか健康保険証、クレジットカード、ETCカード、お店の会員証などがあったのなら、かなりめんどうです。ひとつずつ手続きをしていくのは時間と労力を要しますから、はじめから貴重品はクルマにいれておかないようにしたいものです。
クルマの防犯対策、あれこれ。
盗難に遭わないためには、日頃から盗難対策装置を装備しておくことが大切です。代表的なアイテムとしては、
①【警報装置&GPS装置】
クルマが振動したり、窓ガラスが割られたりしたら、「大きな音」で知らせてくれる警報装置が有効です。ただし誤作動を防ぐための調整は難しいので、カーショップなどで相談して購入することをオススメします。これにGPSを合わせて利用すると、さらに効果が倍増。車が盗まれたときはパソコンやスマホで位置情報を確認できるため、警察と連動して捜索してもらえる心強さがあります。
②【ハンドルロック】
ハンドルを固定して運転をさせないようにする防犯アイテム。クルマの盗難器具としては安価で、しかも取り付けが容易なうえに「防犯対策」をしている強いアピールになります。
③【イモビライザー】
これはキーにIDデータを打ち込み、それがクルマのIDと一致しないとエンジンそのものが動かないシステムのこと。最近のクルマの多くに標準装備されていますが、盗難にはかなり有効です。もしイモビライザーが付いていない場合は、お店で購入して機能をつけることも可能です。
ほかにも防犯カメラ代わりにもなる④【ドライブレコーダー】をはじめ、盗難防止グッズはいくつかあります。でもクルマから離れるときは、つねに盗難に遭った場合のことを想定しながら行動すると、被害も最小限で済みます。どうぞ、みなさんもくれぐれもご注意くださいね。