1970年代に生まれた多くの名車たち
ほかにオールドカー、ヴィンテージカ―、旧車なんて呼ばれ方もするクラシックカー。なんだか最近、目にすることが多くなった気がしませんか。たとえばテレビCMに使われたり、ドラマの中で俳優さんが乗っていたり、某タレントさんの愛車だったりするので、なおさら印象に残っているのかもしれません。一般的にクラシックカーはいまのクルマに比べてサイズが小さく、シルエットもちょっぴり丸っこいフォルムが多いようです。どこか懐かしい曲線デザインも人目を惹きますね。
どの年代からクラシックカーと呼ぶのか決まった定義はないものの、高度成長期の1970年は経済的にも安定し、自家用車を持つことが“家族の夢や憧れ”となりました。各自動車メーカーもしのぎを削り車づくりに技術と情熱を注いだためか、いまでも語り継がれる名車が続々と誕生しました。たとえばホンダならS600やS800、トヨタはあの2000GTやレビンAE86、日産はスカイラインGT-RやフェアレディZ、スバルならN360、いすずならベレットや117クーペ、マツダならRX7といったあたりが、個人的に思い起こされます。あー懐かしい。
クラシックカーは好きでも、オーナーになるのは……
思えばクラシックカーは単なる古いクルマというカテゴリーに止まらず、見る人にノスタルジー以上の魅力を訴えかけてくる気がしてなりません。かくいう私もクラシックカーは好きです。でも30年以上前のクルマをいま手に入れたとしても、レストアやメンテナンスに手間がかかるだけでなく、装備や内装仕上げが昔のままであればかなり不便さを感じるでしょう。それにオートマじゃなくマニュアル車がほとんどなので、もし購入を考えているのならちょっと慎重になったほうがいいかも。
余談ですが先日テレビを観ていたら、歌手で俳優の福山雅治さんが出演していてなにやら珍しいクルマに乗っていました。シルエットとデザインがかっこいいなあと思ったら、本人所有のいすずジェミニ。なんでも、彼が長崎から上京して初めて手に入れた格安の中古車がこのジェミニだったのだとか。まだ無名だった頃の彼の夢をいっしょに乗せて走ったことでしょう。国民的スターが何千万円もするスーパーカーに乗っていたら嫉妬してしまいますが、思い出がいっぱい詰まった古い国産車を選んで乗るあたり、「さすが福山さん。好感度またあがったわ!と感心せずにはいられませんでした。
故障や修理費用のこともお忘れなく
それでもあなたが昔から乗りたいと思っていたクラシックカーがあって、たまたま運良く手に入ったとしましょうか。もう気分はルンルン♪たくさんの人の注目を浴びながら、いろんなところへドライブしたくなるに違いありません。でもちょっと待って!古いクルマはメンテナンスや修理が大変なことを忘れていませんか。クルマは機械の塊。当然それなりに経年劣化しますし故障も多くなります。ところが30年以上たったクラシックカーだと部品の確保が難しいことと、割高になるケースがほとんど。信頼できる修理工場もいくつか見つけておくべきです。また保管場所もできるだけ雨風にさらされないよう、屋内ガレージが必要でしょう。なんせクラシックカーのオーナーの多くは、よく晴れた日にしかガレージからクルマを出さないと聞きますからね。また燃費があまり良くないとか、自動車税・自動車重量税、任意保険などの負担が重くなることもあるので、事前に調べておくといいですね。
なぜかお金にはかえられない魅力も
でもクラシックカーはやはり、個性的なデザインや魅力あるコンセプトにあふれているためか、全国各地に大勢のファンがいます。イベントも盛んに行われ、かなりの盛況ぶりだとか。ちなみに北海道でも旧車イベントが多く、歴史ある街並みによく似合う「小樽クラシックカー博覧会」をはじめ、富良野や岩見沢、栗山町、帯広、銭函、滝川、千歳などで開かれるほどファンが多いのが旧車イベントです。年配の人たちには懐かしさと若い頃を思い起こさせ、若い人たちにはデザインや個性に刺激を受けるのではないでしょうか。
確かにクラシックカーを最適な状態に保つには、現在のクルマよりメンテナンスや維持などに割高な費用がかかりますが、それを差し引いても魅力にあふれているクルマといえるでしょう。どうです?あなたもクラシックカーに乗りたくなってきたんじゃないですか。