知ってます?クルマに関する唯一の検定を
世間には、さまざまな資格があります。そしてその数だけ、取得するために必要な試験が存在します。たとえば医師や弁護士、税理士、公認会計士といった超難関の国家試験から、知識を高めるお手軽な趣味検定までをあわせると、あまりの多さに数えるのがイヤになっちゃうほど。なかでも資格検定はバラエティに富んでいます。おなじみのTOEICやTOEFLのような語学系検定や、漢字や日本語に関する検定、ニュースや時事に関する検定、PC技術やITに関する検定、マーケティングやビジネスマナーに関する検定など、とくに就活や仕事のスキルアップにつながる検定は人気があります。
そんな中、自動車の知識に関する検定がひとつだけあるのをご存じでしょうか。それが(社)日本マイスター協会が主催し、経済産業省が後援する「くるまマイスター検定」です。2013年に開催が発表され、翌年に第一回が実施されたばかりなので、もし知らなくても無理からぬこと。ええ、あなたが業界人じゃなければ、の話ですが。これまでに6回開催されていて、4歳の子どもからご年配の方まで、幅広い人たちがチャレンジしてきました。受検者も年々増えていて、その数は1万人を超えたとか。すごいですね。そんな話を聞くと、自動車関連事業に携わっている私たちまで、なんだかうれしくなってしまいます。
受検者の年齢を問わない、オールラウンドな教養系検定
さて、この検定。個人はもちろん、自動車業界を志望する学生さんや、自動車関連企業スタッフが受検するケースが多いようです。民間資格なので公的な資格ではないものの、合格者は履歴書にも記載できるので、仕事の実務面や就職試験などにも有利になるのがメリットです。
検定の階級は全部で4つあります。いちばん難易度の低いのが「ジュニア」。中学生以下を対象として、くるま社会の一般的な知識が問われます。入門級の「3級」では、クルマについての歴史や国内外メーカー、基本的なメカニズムに関する知識が問われます。ちょっとレベルアップした「2級」では、クルマの歴史やモータースポーツその他、具体的な車種や型式といった知識などが問われます。最難関の「1級」は2級合格者でなければ受検できませんが、クルマに関わるすべてのジャンルから幅広く出題されます。どうです?おもしろそうだと思いませんか。
例題で実力チェックしてみましょう
ところで検定ではどんな問題が出されるか気になりますね。「くるまマイスター検定」の公式WEBに、いくつか例題が出ているのを抜粋して紹介しましょう。
問題1:1972年~1980年まで販売されたメルセデス・ベンツの初代Sクラスに世界で初めて装着され、今ではほとんどの車に装備されている安全装備は次のうちどれですか?
①エアバッグ
②シートベルト
③ABS
④ヘッドレスト
問題2:タイヤの側面には様々な情報が表示されています。タイヤサイズの表示として、「205/60R16 92H」と書いてあった場合、「タイヤの幅」を示すのはどの部分ですか。
①205
②60
③R16
④92H
問題3:エンジンの高出力化を目的とした「ターボチャージャー」は、次のうち何を利用してタービンを回転させ、動力を得ますか?
①電気モーター
②油圧
③走行風
④排ガス
問題4:フェラーリのスペシャルモデルの中でも特別な人気を誇るフェラーリF40は、発売されていた当時世界最速を謳っていましたが、その公称最高速度は?
①280km/h
②302km/h
③324km/h
④408km/h
問題5:1955年に200台足らずが生産された、簡易的な設計の超軽量軽自動車「フライングフェザー」を生産した会社はどこですか。
①住江製作所
②富士自動車
③白楊社
④豊田自動織機
これらの問題が3級程度だそうです。意外にむずかしいですか?それともかんたん?あなたはどちら?
興味がある方はぜひ公式サイトを参考に
最近は運転免許を取らない若者や、クルマそのものに関心を持たない人が増えていると聞きます。でもクルマがあるとやっぱり便利で、私たちの暮らしを豊かにしてくれる大切な存在。言い換えるなら友だちや家族のようなモノです。だからこそ、もっと多くの人にクルマに興味を持ってもらい、クルマに対する理解を深めてほしいと思うのです。もしあなたがこれを読んで、自分も挑戦してみたいと思ってもらえたら幸いです。受検に関する詳しい情報は公式サイトに載っていますので、ぜひ参考に。
話は変わりますが、世の中には猫好きさんのための「ねこ検定」だの、「ゴジラ検定」だの「深海生物検定」だの「進撃の巨人検定」といった、目的がよくわからない検定まであるそうですが、興味あります?
参考:くるまマイスター検定https://www.meister-kentei.jp/car/